第44章 私が気持ちよくなる薬を六つ子に飲ませました 六つ子と私
「だ━━━っ! 我慢出来ねぇ! なぁ、マジでナス子様にお願いがあるんだけど?! 本当その困った顔とか赤くなった顔とか魅力的すぎて我慢の限界っ、キスしていい?!いいよな、いいよねぇ?!」
「はぁ?! やめろこの変態っ、手を離せ━━━!!」
もがけばもがく程おそ松の拘束は強くなるばかりだ。
褒めるどころか手まで出そうとしている。
いや、これおかしくない?!
褒めると手を出すってまったく違くない?!そこはイコールにはならなくない?!なくなくない?!
拘束は解けず、逃げ場もなく、何を言っても通じそうにない雰囲気に、ナス子は冷や汗が止まらない。
「待つんだおそ松、ナス子様のご機嫌を損ねるんじゃぁない、ここはもっと優しくかつクールに少しづつナス子様の可愛い表情を堪能していけばいいじゃないか、ハッピーにしてやらねければ・・・言葉で誉め続けるのも大事だぞ?」
「ギャー! ななななな、何ちょっとこの体勢!!」
気づくとナス子はおそ松に体の方向を変えられ背後から抱き締められるような体勢になると、目の前のカラ松にはまるで押し倒されているようになり、一瞬あの日の夜の事を思い出す。
「!!! ・・・・・・こ、これ、セクハラだからね?! しかもアンタら今日は酔っ払ってないのにこんな事・・・っ」
「今日は・・・とは?」
「さぁ、知らね」
六つ子との旅行中、ナス子は酔っ払った6人にセクハラを受けていたのだが、当の本人達はいまだ思い出すことはなく。
カラ松とおそ松は不思議そうにサラっと会話を流している。