第43章 パチンコ警察24時? トド松side
「トド松の手もあったかいねぇ~、ホッカイロみたい」
「ナス子姉の手が冷たいんでしょ? ぼくの体温奪われそうなんだけどぉ?」
「あははは、ごめんごめん! 嫌だったら放していいからっ」
「嫌じゃないよ、ぼくから手を伸ばしたんだし」
二人並んで歩いていると、目の前から二人の警官が歩いてくる。
こんな時間でも警察って忙しいよねぇ。
そういえば前にもこんな事があったような・・・・・・・・・
「こんばんわ~、こんな時間に何してるのかなぁ、お兄さん達」
「「え?」」
まさかの警官二人に話しかけられてぼくらは立ち止まった。
「え、ご飯食べて家に帰る所ですけど??」
「ご飯?もう夜中の12時だよ?」
ナス子姉が困惑しながら普通に質問に答えるも・・・ぼくは既に嫌な予感しかせず一瞬体が強張った。
さっきの手の温度が一気に下がったかのようだ。
「ふーん・・・ご飯食べてきたの、何を食べてきたのかなぁ?」
「は、え? ファミレスで二人でご飯食べてたんですけど・・・」
ぼくはもうその恐怖に喋る事は出来ず姉さんの手を強く握り震え出す。
「こんな時間にぃ? 怪しいなー二人共」
「怪しい? 別に普通じゃ・・・ん?」
姉さんが警官の顔を覗き込むと、警官二人もじっと立ってこちらを見ている。
主に・・・ぼくを。
「この声もしかしてって思ったら!やっぱり一松とチョロま・・・わっ、ちょ!トド松!!!?」
姉さんが喋り終わる前にぼくは姉さんの手を引いて猛ダッシュで走り出した。
「あ、逃げたぞ!! 追え━━━━━━━━━━っ」
「チッ、アイツ昨日あんな事言っといて早速抜け駆けとはやるよね‥‥」
後ろから何か聞こえてきたけど今は止まる訳にはいかない、とにかく道も確認しないでぼくは足を止める事なく全力で走る。
足音からするに一松兄さんとチョロ松兄さんも追いかけてきながら無線機で何か連絡をとっているようだった・・・
や、ヤバイヤバイよこれ━━━━━━━━━━っ