第43章 パチンコ警察24時? トド松side
「わかんないからトド松のちょっと触らせてよ」
「えぇ?やだよ、こういうのは自分でやった方がいいの!!」
「えー、いいじゃんケチ!! 寧ろこれ何が当たりで外れとかもわかんないんだけど?」
僕が握るハンドルと台を交互に見て姉さんは自分の台を見直す。
何がなんだかやっぱりわからないみたいだ。
まぁそうだよね・・・初心者の人が来たらわかる訳ないか。
普通にスロットならわかりやすいけど。
「も~、じゃあ僕の握っていいよホラ・・・すぐ返してよ?」
「わーい、ありがとうございあーす!!」
姉さんはワクワクして僕が離したハンドルを握る。
けど、今度はどう動かしていいかわからず動きが止まっているようだ。
本当世話のかかる姉だな!
「姉さんこれはこうやって・・・」
「うん」
結局僕が姉さんの手の上から一緒にハンドルを握るように僕の手も重ねて一緒に回す。
玉が出るとそのまま動かしていき流れて行った。
「あー・・・やっぱ今日はツいてないかも・・・」
「そうなの? すぐ玉なくなるからわかんないや」
「ほら、ちゃんと持って! もう一回やるから」
さすがにこの時間にここに兄達はいないだろうと思い、僕はそのまま姉さんに指導を続けた。
その結果。
「わっ、ヤバ・・・!! 出ちゃったんだけど?!」
「ん? 出た? 何が??」
「当たりだよ、大当たり!! 今日は姉さんに会ったから厄日かと思ったのにめっちゃツいてたんだけどぉ!!!」
姉さんの手を握ったまま、大喜びする僕に姉さんは睨みをきかせているが、今の僕はそれどころじゃない。
「私に会って厄日とか人を厄病神のように言わないでいただけますかー?!」
「うんうん、そうだね!ごめんね、ナス子姉っ、今日はナス子姉がいつもより少しだけいい女の子に見えるよ!!」
なけなしの心で褒めると、姉さんはまだ剥れてるけど大当たりって事で目を輝かせて出てくる玉を見ていた。