第42章 【微エロ?】ドリームライジング チョロ松side
そして作業を二人で再開する。
先程の夢の中でのナス子は今のナス子とは大違い。
やっぱり残念で女子力なくて色気もない女だ。
「はーーー、疲れたよぉ!寝たいよぉ、寝れないよぉおおお」
「━━━━━━━━━━はぁ」
「そんなにでっかい溜息つかないでよ!ちゃんと起きてるしやるもん!!」
僕の夢の中でコイツは美化されたに違いない。
けどまさかあんな夢を見るとは、ちょっと申し訳ないと思うよね。
「何、人の顔じっと見て呆れた目向けてさー!顔赤いけど大丈夫?逆上せたの?」
「えっ?!いや、別に逆上せてなんかないけど…っ、そ、それよりお前ここも間違ってるんだけど?一体何個間違えてるんだよ」
どれどれと見るばかりにまたナス子は立ち上がると僕の肩越しに顔を覗かせる。
「~~~~~~!!!!近くない?!」
「え?何が?」
「だから距離が近いって言ってんの!」
僕が数歩離れてナス子に困ったように言うと、ナス子は首を傾げる、何言ってんのこいつって顔だ。
「近いって・・・今更じゃない?さっきまでここで一緒に横になってたじゃん」
「横に・・・そっ、そうだけどさ!!お前もうちょっと自分が女だって意識した方がいいんじゃないの?!」
いつもの僕と態度が違う事に訝し気な顔をするナス子だが、つい僕が口走った言葉に少し優越感が出たようだった。
「え?今私の事女って言った?言ったよね?!いつもは女みたいとか残念な女って言ってくる癖にー!!」
「ばっ・・・だから寄るなって言ってんだろ━━━━━━!」
「どうしたのチョロ松、急におかしくなっちゃって。もしかしてやっぱノートの内容に変な事書いてたかな?今回はそういうエロ描写とか書いてないと思ったんだけど・・・」
心底不思議がるナス子に、さっき自分がどんな夢を見ていたかなどと言える訳がないし、悟られる訳にもいかない。
ここは普段通りに繕うしか僕には逃げる隔てがない。