第39章 たまにはご奉仕 一松side
<一松side>
最悪・・・、おそ松兄さんにナス子の家のスペアキーを取られてから自由に行き来出来なくなってナス子にもミケ子にも好きな時に会いに行けなくなった。
いっその事俺専用にもう一つスペアキー作ってくれないかなって思ったけど、ナス子の場合絶対に面倒臭がるし嫌だって断ってくるのが目に見えてるんだよね。
あいつ、今日休みだっけ?
俺はいつもの裏路地で猫達に餌をやりつつ一人考えている。
一緒に旅行行ってそう日にちは経ってないけど会いたい。
別にナス子に会いたいんじゃなくてミケ子にだから。
そこ勘違いするなよ?と誰に言うでもなく自分に言い聞かせる。
まぁ、正直言っちゃえばナス子に会いたいって気持ちもあるんだけどね。
立ち上がると、ダメ元で俺はナス子のマンションへと向かう事にした。
ぶっちゃけ言っちゃうと俺は多分アイツに惚れてる。
しかも結構前から。
最初は嘘だろって思ってたけど、一緒に過ごせば過ごすほど俺の嘘だと思う感情は確信に迫って行って・・・結果、自覚した。
俺の勘だと多分・・・兄弟の中で同じような事思ってるヤツがいる。
まだ誰一人として自覚はしてないみたいだから俺もそう警戒はしてないし、俺だって好きだけどナス子と付き合いたいとかは思ってない。
だって相手は俺だよ?俺みたいなクズでニートでダメ人間、燃えないゴミなんて相手にしたくないでしょ。
もし万が一にでもそういう関係になれるのなら・・・と期待してしまう自分も本当馬鹿。
いっそこの気持ちは封印すればいつか忘れるでしょ。
来世になればこんな感情すらなくなる訳だし。
~ピンポーン♪~
マンションについて、久しぶりにインターホンを鳴らした気がする。
いつもはスペアキーがあったからこんなモノ鳴らす必要なかったし。
暫くするとバタバタと足音が聞こえて、扉が開いた。
いつも寝てるか仕事かのナス子だから、どうせこの時間にチャイム鳴らしたって出てこないでしょ?って思ってた俺は普通に開いた扉にちょっとビックリして動きが止まった。