第37章 危険な香りの温泉旅行 本日最終日
「おそ松ー、私明日も仕事休みだからさ・・・運転してくれたら約束してたエステやってあげるよー?だからさぁ、機嫌直してよ。ここは長男でカリスマのお兄ちゃんが運転した方がカッコイイんじゃないかなぁ~やっぱり最後はお兄ちゃんじゃないと!ね?ね??」
本当は出かけた次の日はゆっくりゴロゴロ、グータラして過ごしたいと思っていたナス子だが、おそ松は運転が嫌というよりは皆に期待されて、とにかく構って欲しいのではと思い説得を始めた。
「約束してたって・・・それ、俺損してるよね?!それは違う条件でやってくれるって言ってたやつだろ?なーんか納得いかないんだけど!!」
心底不満そうなおそ松がナス子を見ると不機嫌な表情のまま、まだ口を尖らせている。
「じゃあ・・・おそ松がやりたいメニューなら他のもやっていいから・・・はぁ~」
なんとか拗ねる長男の機嫌を溜息交じりに直そうとし、ナス子は適当な意見を出し試みると、思ったより早くおそ松の顔が晴れた。
「マジ?!んじゃ運転する!!!お兄ちゃん運転手やっちゃうよぉ、お前らの安心安全はこの俺、おそ松に任せとけって!だーっはっはっはっは!!やっぱり旅行の締めは長男じゃないとなぁ」
腰に両手を当てて、空を仰ぎ馬鹿笑いをする長男は・・・、他の兄弟達と同じで、なんてチョロイのだろうとナス子は思った。
そしてそれを見ていた5人も、ナス子の内緒話は聞こえてはいなかったが、呆れた表情でおそ松を見るのだった。
旅行編:終わり