第37章 危険な香りの温泉旅行 本日最終日
既に機能しないチョロ松、死んでいるカラ松、十四松。
残るはあと3人。
どうやってこの隔てた壁でアイツらを殺してしまおうかと必死にナス子は算段を練っている。
「俺は別に、お前の裸とか興味ないし・・・でも見て欲しいなら見てやらなくもないけど・・・寂しいならそう言えばいいでしょ」
「黙れ一松!!私が嫌だって言ってんの!あんたの内情とかどうでもいいし、寂しくなんかないしぃ?!私はこっちで一人お色気ムンムンアハンな感じで入ってますので~」
「まーた自分で言っちゃってるよぉ、イッタイなぁナス子姉。昨日ぼくが見てあげようか?って言ってあげたのに、そのお色気ムンムンアハン(笑)な感じを?」
またもトド松が昨日のようにムカツく声で話しかけてきている。
その声の様子でトド松の顔が容易く想像出来た。
「ふん、こっちに来たらアンタらなんてアレだよ?私の全裸に鼻血ふいて失血死するんだからね?!!!」
「「・・・はぁ」」
折角の壁なのだが、隣からわざわざ聞こえるかのような溜息が四男、六男なら漏れているのを地獄耳になるナス子が拾い上げる。
「お前ら、揃いも揃ってほんっと・・・ブチ殺したい!感電死すればいいのに・・・っ」
「うわっ、そういう事言う?僕は弟として姉さんの色気(笑)を確認してあげようとしてあげてるだけなのにー」
「だからその括弧笑いが聞こえてくるんだよ、ファッーク!!」
貸し切り風呂の壁を隔てて喋る3人であったが、一松が自分の周りを見回す。
要注意人物に視線を向けようとしたのだが・・・
「・・・・・・あれ?」
「ん、どうしたの一松兄さん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・おそ松兄さん、どこ行ったの?」
「あ!いないっ!!!」
そう二人が言うと、貸切風呂と混浴を隔てる壁と天井に目を向ける。
しかしそこにエロ馬鹿クソ長男の姿はなく、二人共ホっとするも
その刹那━━━━━━━━━━隣から大きな悲鳴が聞こえた。
「ギャーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」