第37章 危険な香りの温泉旅行 本日最終日
カラ松・チョロ松協力の元、無事に背後霊を引き剥がしてもらったナス子は、今貸し切り風呂に一人で入っている。
「ふぅ~、いいよいいよ寂しい女でぇ!それに貸し切り風呂ってそんなに広くないし!!一人で入ればちょっと豪華なお風呂入ってるみたいだしぃ!」
結局六つ子はまた混浴へと入って行ったらしく、開いた天井から聞き慣れすぎた声が漏れて聞こえてくる。
昭和か・・・!!いくら古い旅館と言えどここは壁で塞いで欲しかったと忌々し気に声の方向を睨みつける。
ギャーギャーワーワーと騒ぎ、一緒に聞こえる馬鹿笑いもとても楽しそうだ。
肩まで湯に浸かりながら目を瞑り、意識をボーっとさせ寛ぐ。
しかし隣からの馬鹿騒ぎは止むことがなく童貞六つ子お決まりのセッ×ス会話が始まり、チョロ松の最初の突っ込みも空しく最終的には6人のセックスコールに成り下がる。
「ほんと……うっさいアイツら…………ハァ~~~~」
6人の下世話な会話を聞かないようにと意識を指に向けて水鉄砲を作る。
ピューっと勢いよく飛んでいく様は中々上手く出来ている。
これは十四松が教えてくれたやつだ。
「おー!コツ完全に掴んできたっ、フフン!全国水鉄砲選手権とか出れちゃうんじゃないの私っ!見て見てこの水裁きっ、すっごい勢いがいいでしょう?!あはははは!あはは……あは………うわーん、なんか隣が楽しそうでちょっと寂しい、悔しい~~~!!!」
「姉さん??」
「ん~?どうした十四まぁつ、ナス子がどこかにいるのか?」
「隣、姉さんいるよ!」
バレた。
「「「「「え━━━━━━━━━━!!!」」」」」
……自分が騒いだせいか、鼻の効く十四松に、今度は聴力を駆使して悟られてしまったらしい。