第34章 【番外編】危険な香りの温泉旅行 ラッキー兄松
「第※回、松野家兄松会議~議題その2、ナス子の紐パンの紐を解くのは誰なのかという件について。まぁこれは話し合うまでもなく長男の俺に決まってるけどね!」
「長男とか関係ないでしょ?!いやぁ、そこはあえて僕に任せてみてよ。きっと上手に解いてみせるからさ」
「いいだろう引き受けた!ここは下着と同じ青がイメージカラーのこのカラ松がいこうじゃないか」
「チッ、なんだよ、しょうがねぇな…………じゃあ、いっそ三人で行くか?」
「そうだね、そうしようか。それなら平等だしね」
「フッ、仕方ないな……」
もちろん冗談半分の会話だ。
それもわかっていてこんな会議をしている三人なのだが、心のどこかで、本気でそれを、そしてその先を想像している自分がいることには誰一人として気付いていなかった。
「ねぇちょっとアンタ達!!聞いてる?!悪いのはトド松だからね!?ホントは紐パンなんて嫌だったんだから!!でも温泉から部屋までノーパンで帰ってくるわけにもいかないでしょ?!仕方なく!仕方なくだから!!聞いてる━━━━━━?!」
ナス子の叫びが虚しく部屋に木霊する。
結局賭けの件は曖昧に終わり、結果おそ松の得勝ちのような形になってしまったのであった。