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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第34章 【番外編】危険な香りの温泉旅行 ラッキー兄松



「たっだいま~……あれ?他のみんなは?」

 ナス子が部屋に戻ってくると、そこにはおそ松、カラ松、チョロ松の三人が、何故か部屋の真ん中に顔を見合わせてつっ立っていた。

「てか、なにしてんの……?なんかの儀式?」

 言いながらナス子が普通に三人の横を通り過ぎようとすると、一人にぱしっと手を取られる。
 振り向くと、カラ松がナス子の手首を取って俯いている。

「カラ松?なに、どしたの?」

 俯いたまま顔を上げようとしないカラ松に首を傾げる。
 カラ松だけではなく、そのすぐ側に立っているおそ松、チョロ松も、先ほどまで顔を上げていたはずなのに、今は下を向いてしまっている。

 異様な空気を感じ取るナス子。
 手首は掴まれたままだが、なんとなく振りほどけない。

「ちょっと……三人共どうしたの?もしかして喧嘩でもしたの?」

 せっかくの旅行なのに、雰囲気悪くなるのは嫌だなぁ、とそんなことを思ったナス子は、心配そうに三人の顔色を窺う。

 一番に顔を上げたのは、ナス子の手を掴んでいるカラ松だった。

「なに言って……るんだシスタぁー、喧嘩なんかしていないさぁ?俺達ももういい大人なんだぜ?」

 カラ松がそう言うと、下を向いていた二人も顔を上げ口を開く。

「そう……そう、ただ三人で話してただけだよぉ~」

「そうと、そうだよ。旅行先に来てまで喧嘩なんかしないって」

 そう声を揃える三人に、ナス子はほっと胸を撫で下ろす。
 先ほど感じた異様な空気も感じなくなった。

「よかったぁ、ビックリさせないでよもう…………ところでカラ松、いつまで私の手ぇ掴んでるの・・・?」

「は?誰が…………あ、あぁ~あ、ソーリーだ、俺としたことが、つい」

 そう言ってカラ松が手を離すと、自由になったナス子は訝しげな表情をしながら部屋の奥へと進んでいき、座椅子に座るとスマホをいじり始める。
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