第4章 平穏な日々に嵐はやってくる~一松~
「まるで女みたいだね」
「みたい、じゃなくて女なんだけどねぇ!」
あぁっ、眉毛が濃くなった!!
時間ないのにっ、くそぅ一松のヤロー(八つ当たり)
「あれ? チークどこ?!」
「普段から散らかしてるからもの失くすんでしょ」
チクチク言ってくる一松を無視していつも使ってる化粧箱を漁る
あ、あったあった。
げ、チークもちょっと濃くなったような?
くそぅ、一松コノヤロー(八つ当たり)
「化け物になってお客さんに引かれないようせいぜい気を付けないとね」
「嬉しくないご心配をありがとう! 一松コノヤロー」
冷蔵庫から栄養ドリンクを取り出すと飲み干し気合を入れる。
一松一人残してくのもなんか心配だけどもう本当に時間もないから仕方ない。
家を出る前に家族になったミケ子を優しく抱きしめる。
「ああああああ、離れたくなぁあああぃ。これだから動物は飼ってはいけないんだよぅ・・・ミケ子ー、帰って来るまで待っててねー!」
にゃーん
「もう諦めなよ、コイツに会った時点でお前はもうコイツの虜なんだよ・・・」
私からミケ子を受け取り計画通りな顔を浮かべた一松に最終チェックする。
「部屋の中に誰か入れちゃだめだからね?!」
「わかってるよ」
「戸締りもチェーンはかけずに鍵だけ閉めて? 私が帰ってくる時チェーンかかってると入れないから」
「へい」
「あと・・・・・」
「もう5時だけど時間いいの?」
時計を見やり一松が私のお小言をスルーするぅ。(洒落ではない)
「ぎゃーーー、もうダメ! 行ってきます。」
「はい、行ってらっしゃい。事故に気を付けて」