第30章 【微エロ*番外編】危険な香りの温泉旅行 売店にて弟松と
自分のペースを取り戻そうとナス子が密かに深呼吸をしていると、次の瞬間信じられない言葉をかけられ、またもペースを乱される。
「今日の夜にでもさ・・・ぜひ実行してみてよ。なんなら俺達の前で・・・いつもと違って興奮できるかもよ・・・」
「えぇ?一松兄さんそれ言っちゃう?!僕はさすがに無理かな~・・・あ、でも兄さん達が皆見てるって言うなら、ぼくだって頑張らないことはないけどねっ?」
この子達は一体何を言っているんだろう・・・?
とてもとても、とても嫌な予感しかしないが、これが怖いもの見たさ、いや、聞きたさとでも言うのか、ナス子は恐る恐る目の前の二人の顔を見て声を絞り出す。
「・・・・・・・なに、を・・・?」
身体を縮こまらせ、戦々恐々と言った様子で自分達を見上げてくるナス子に、二人はチラリと視線を交わし、だがすぐにこちらに視線を戻すと、同時にニヤリと目を細め口端を上げる。
その表情に、ナス子はヒュっと息を飲む。
嫌な予感は頂点に達し、思わずくるりと踵を返し立ち去ろうとしたが、当然それが許されるはずはなく、後ろからガシリと右腕をトド松に、左肩を一松に掴まれる。
左右それぞれの耳元で、一松、トド松両者同時に囁きかけられ、背筋がゾワっと総毛立った。
「「働く女の秘密のオナ×ー」」
「・・・・・・っ」
一松に首筋を、トド松に掌を指先でなぞられ、硬直する。
何か言わなければ。
何か言って、この度のすぎた悪ふざけを今すぐ止めさせなければ・・・
そう思っているが、身体も口も言うことを聞いてくれない。
「ア、アンタたちっ・・・・・・!」