第29章 危険な香りの温泉旅行 たまにはお姉ちゃん?
あぁ・・・キスしたい。
そう思うカラ松だが、クソ長男がナス子に寄りかかっているせいでこちらにナス子の顔を引く事が出来ない。
「もう泣いてないよ?心配症のカラ松兄さんー」
覗き込むナス子の無邪気な顔が、カラ松の欲を駆り立てた。
楽しみにしていた膝枕から体を起こすと、頬に手を添えたまま、ナス子の唇に軽く自分のそれを重ねる。
「え、ちょっと・・・なに?」
「ナイトはこういう事もするんだぜぇ?アンダスタ~ン?」
「いや!意味わかんない!」
やはりチョロ松先生からのお告げを思い出し、その行為に目を瞑ってしまう。
「も~、いいから、ナイトはもう休戦しなさい」
「足りないんだが・・・」
「嫌だ!」
「ナス子、そう言わずにもっと・・・」
「皆が寝てるからって人目あるし!それに態勢もキツイんだからっ」
ナス子は今、自分が見当違いな事を言っている事に気づいていない。
「で、では・・・二人きりで態勢がキツくなければまたしてもいいんだな?!」
「そうそう、それなら・・・って、え?」
「わかった、今日は大人しく休むとしよう!」
そしてナス子の膝にまた頭を乗せる。
「いや、あのぅ、カラ松さーん・・・カラ松くーん??」
よほど彼も疲れていたのだろう、再び膝に頭を乗せるとナス子に返事をする事なく寝てしまった。
「えー・・・嘘でしょぉ?」
周りを見渡すと、自分にくっつくように色々な態勢で6人が眠っている。
一番の邪魔は長男だが、ナス子は大人しくじっと耐えるのであった。