第27章 危険な香りの温泉旅行 動物園に行きました カラ松
猫の館を後にした一行は、やっと目的の動物達を見て回る。
「あ、ナス子!お前の仲間いたぞ!親戚ぃ?」
両手を頭の後ろで組みながらダラダラ歩くおそ松は、目の前のチンパンジーの檻に着くと、それを指さしてニヤニヤとナス子に振り返った。
「絶対言うと思ったわー、思ってたわー。もうここが向こうから見えた時から既にお前にイラついてたわー」
「見えた時からって早くない?!でも良かったじゃん、感動の再開だろ~?」
「・・・うん、似てるね」
「姉さんチンパンジーだったんだね!似てる!」
「あんたら・・・」
次々とチンパンジーを見てナス子を振り返る兄弟達が口を揃えて似てる似てると煩く言っている。
「そうか?ナス子はこっちのフラワーの方が似てると思うぞ」
そしてカラ松は近くに植えてあった可愛いオレンジ色の花を見つけ、ナス子にサラリという。
いつからコイツはこんなにプレイボーイになったんだろうか。
「え、花?!そんな可愛い花に私似てるかな?そそそそ、そんな事ないってー、もーーーっ!!バカラ松!!」
「アウチっ!痛いぞシスター、何をするんだっ」
照れたナス子は思い切りカラ松の背中をバシバシと叩く。
カラ松は痛そうにしているがナス子の動きを止めようとはせず、素直にそれを受け入れている。
六つ子の中で、ナス子を一番女性らしく扱ってくれる人物というと、このカラ松である。
たまに酷い事も言ったりするが、天然のカラ松は素直に思った事を言ってしまう。
「花に似てるなんてカラ松、クソサングラスしてるから目がおかしくなったんじゃないの?それならあっちにいるカピバラの方が似てるでしょ」
チョロ松が言うと、行く方向に指さしナス子の顔を見た。
ナス子が見たかったカピバラはもう少し先の所だが、この場所からでもカピバラの姿が見えている。
「お前らはどうして私をそんなに動物に例えたいのかなぁ?ん?ん~~~~??」
「でもほら、チョロ松兄さんの言う通りアレはナス子姉だよ!見てほら・・・」