第24章 危険な香りの温泉旅行 夜の海 チョロ松
そんなチョロ松を相手に腕組みをし、一度頷いた長男はチョロ松の肩を叩く。
まるで何かを理解したような真剣な表情でチョロ松の目を見ながらこう言った。
「よく言ったチョロ松!!!それでこそ俺ら童貞の仲間だ!」
「フフ~ン、やっと俺たちチェリーボーイの元へ戻ってきたかチョロまぁつ。いつまでもパーフェクトな男でなんていられないと本当はわかっているんだろぅ?それが、童貞さ」
「お、おそ松兄さん・・・カラ松兄さん・・・」
目の前の後景に、私は何を見せられているんだろうとナス子は思う。
しかもエロイ下着とか言われたけど、エロく感じるのは色だけであり、自分が買った下着は決して形状的にはエロくない。
レースのついた可愛い系だったハズだ。
やはり中身を変えようとして新しく真っ当な女の子が身に着けるような下着を自分が身に着けるのはよくなかった・・・。
しま〇らの下着が既に恋しくてたまらないナス子だが、残念な事にこの旅行中に持ってきた衣類は全てトド松チョイスであり、下着は依然そのトド松と十四松と共に買いに行ったものしか持ちよっていない。
「もう葉っぱ一枚あればいい・・・」
「え、ナニー?柏餅?」
「なんでもない、十四松」
兄松3人が肩を寄せお互いを励まし合ってる隙に布団に入り充電しておいたスマホを弄り出すと、ナス子を真ん中にして隣の布団ににトド松、もう片方隣に十四松が滑り込んで来た。
「姉さん、今日楽しかった?」
「煩いし騒がしいし、クソだしダメなヤツらだけど・・・まぁ、楽しかったんじゃないかな?」
キスの事なんてもう頭の中からデリートしようと思い、話しかけてきた十四松にナス子はヘラリと笑いかける。
「ほんっとクソな兄さん達だよねぇ~でも、ナス子姉と一緒に旅行にこれてぼくはすっごく嬉しいよ!」
「痴女扱いされたけどね!」
「え~、なんの事ぉ?僕物忘れ激しいからもう忘れちゃった♪」
今日の慌ただしくて煩くて、騒がしい、落ち着かない一日を思い返しクソでもなんでも・・・やっぱり嫌いにはなれないと再認識し眠りにつくナス子であった。