第19章 危険な香りの温泉旅行
<主人公side>
ここはお洒落で高級なワンランク上の人たちが行くショッピングモール。
その一角に設置された福引の場所。
普段ソシャゲのガチャ運は皆無の私は、福引と言うものにも期待してはいなかった・・・。
いや、いなかったからこそ、こうなったのだ。
きっと。
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緑が広がる山の中を、一台のワゴンが走り抜ける。
「いやっふぅ~、おーんせん!おーんせん!!」
「ちょっとおそ松!車の中で暴れるのやめてよね!」
「旅行旅行~♪」
「十四松も、おそ松のテンションに乗らない!」
あぁ、やっぱり6つ子は全員揃うと騒がしいな・・・。
信じがたい事に・・・
私と松野家六つ子は今、3泊4日の温泉旅行に来ている。
そう、私はあの下着を買った日、福引のガラガラで金の玉を出し、一等を当てた。
その賞品がコレ、3泊4日の家族旅行。
最初は自分の家族と一緒にと思ったが、共に買い物に来ていたトド松と十四松に貸しの話をされ、私の1等賞は松共に奪われる事になった。
先日の変な薬の事件から、この6人はやっぱりロクな事をしないと再度認識した私は、全力で旅行を断った。
まぁ、普段からロクな事はしないんだけどねコイツらはさ。
それに加え、私は先日、十四松とトド松以外の兄弟達とキスをしている。
おそ松、一松に至っては無理やり・・・。
だから余計にこの旅行には同行したくはなかった。
理由がどうであれ許せるものじゃない。
だって謝罪すらないんだよ?!
大好きとか言ってたけどあの顔は絶対何か意図がある・・・!
これはもう処刑ものでしょ。
折角チョロ神様により救われた私もまた腹が立っていた。
しかし、一緒に行こうと強く押し切られると、NOと言うのが苦手な私は渋々了承してしまった。
だって、ダメで馬鹿でクソでニートの童貞でも、可愛い弟達の頼みじゃないですか・・・ねぇ?