第16章 ヤケクソ療法? カラ松 チョロ松 ※多少シリアスが含まれます
何故か敬語。
そして、紳士さながらに右手をそっとナス子の頬に添え、目を閉じてその唇に自分のそれを重ねた。
想像していた以上に柔らかい感触に、カラ松は驚き、自分は今ナス子とキスをしているとんだと自覚すると、途端に身の毛が逆立つ感覚に襲われる。
思わず閉じていた目を開くと、目を硬く閉じ眉を寄せ、頬を薄く上気させる超至近距離のナス子の顔が見えた。
カラ松がただ強めに押し付けていた唇を少し離すと、終わったと思いナス子はゆっくりと目を開く。
が、カラ松は離れていかず、ナス子の唇を舌先で軽く舐める。
頬に添えていた右手を後頭部へと移動させ、左腕でナス子の肩を引き寄せると、その力で正座をしていたナス子はカラ松の腕の中へと抱き込まれてしまう。
倒れこむような形で引き寄せられ、驚いて顔を上げナス子がカラ松を見ると、そこには先ほどまでの気の弱そうな次男はおらず、目を細め仕留めた獲物を見るような視線を向ける『男』がいた。
「カ━━━・・・・・・ぅんっ?!」
顎をぐいっと上げられ、再び唇を塞がれる。そして間を置くことなく、ぬるりと侵入してきたそれに驚き、身体に強く力が入る。
歯列をなぞられ、背筋がゾクゾクと総毛立つ。
ナス子は思い出したように必死に抵抗をするが、カラ松はビクともしない。
「んっ、ちょっ・・・・ぉ、━━━ん、んんっっっ!」
何度も顔の角度を変え、まるで食べ物を貪るかのように繰り返されるそれに、ナス子が本気でいい加減にしろとキレかけたその時。