第108章 最終回【逆ハー】ネヴァーエンディングストーリー
「ナス子!!僕ら、ナス子に確認しておきたい事があるんだ」
ナス子の方向を向き、チョロ松が意を決して発言する。
「うん?」
「今日、見ちゃったんだよ僕ら……ナス子が、産婦人科から出て来る所を」
チョロ松がそう放つと、他の兄弟達の顔も真剣な顔つきになりナス子に視線は注がれる。
一方のナス子はまだ何が何やらわかっておらず首を傾げた。
「産婦人科?私が行ったのは婦人科だよ?」
「「「「「「ん?」」」」」」
注がれる視線の先を見返し、あっとなったナス子はやっと六人が言いたかった事に気付く。
「………あ!!!もしかして皆」
気付けたとしても多少コチラからも言いづらい内容だ。
でも言わなければこの六人は安心しないだろう。
「私が……に、妊娠したとか……おも、思ったんじゃ」
「「「「「「……………」」」」」」
まだ確信を聞いていない六つ子は沈黙に徹しているため、何も発する事はなく未だナス子を真剣な表情で見つめたままだ。
「~~~~~~はぁ、やっぱり!!男だけの会話ってそういう事だったのか!!全く、それなら聞いてくれれば良かったのに」
女に男の事情がわからないように、男にだって女の事情はわからない。
だからこそ、婦人科と産婦人科の区別は六人には難しかった。
「え、結局どっちなの?!」
「まぁまぁ、とりあえずパーティでしょ?お菓子食べようよ~!」
おそ松に聞かれて、あっさり答える事はしないナス子は、一人だけいつもの空気に戻るとニヤりと笑いお菓子を並べている場所に戻っていってしまう。