第108章 最終回【逆ハー】ネヴァーエンディングストーリー
《十四松》
「はー、楽しかったぁ!!十四松は今日も子供に大人気だったね」
「あははははぁ、師匠だから」
「子供が憧れるってのも一つの天性だと思うな、十四松っていうジャンルではあるんだけども」
「えー、褒められちゃった」
「あと十四松は子供ぽいとこがあるし、それも懐かれる要因なのかな?」
「えぇ!?」
「そんな子供なとこも好き、ですが」
「ほんとぉ?!」
「さ、そろそろご飯だから帰ろうか」
「ねぇねぇ、姉さんとボクに子供ができたらどんなだろうね?」
《十四松回想終了》
《トド松回想》
「どうしたのトド松?なんか覇気がないって言うか疲れてるっていうか?」
「ええ?そんなことはないけどぉ、聞いてよ姉さん!今日さ、高校の時の同級生と偶然会ったんだけど、もうお父さんなんだってさ……引くわぁ」
「いやなんで引くんだよっ、別に普通でしょ、結婚して子供いたってさ」
「いやいや、だって同級生だよ?同い年だよ?引くわぁ」
「子供の1人や2人いたってなんの不思議もない歳になってるってことだよ……私なんてアンタらより年上なんだから余計にそうだよっ」
「引くわぁ」
「ハイハイ……羨ましいのね、フツーに働いてフツーに家庭もってることが」
「羨ましい!!!!!」
《トド松回想終了》
それぞれの回想で何かのヒントが得られるかと思い、一応ここまで止める事なく聞いていれば、ハッキリ言って彼女が妊娠しているかも?なんていう回想は一つも感じられない。
逆に、子供好き、子供ができたら、いいお父さん、などというワードがばんっばんと本人達からでてきている。
「ねぇ、これナス子姉の変だった時を思い出す会議だよね?!これじゃぼく達が逆に欲しいって言ってるみたいじゃんっ……ぼくは別にそういうつもりはなかったけどね。
ナス子姉の事ももしかしてチョロ松兄さんの勘違いだったりして」
「いやいや、勘違いなら何でナス子はあの場所から出てきたのかって謎が残るでしょ」
「……それに、そのお守りの事もあるしね」
「うーん、それもそっか。簡単には解決しないねぇ」
トド松が手に持ったままのお守りを見て、首を傾げる。
その様子に他の兄達も頭を捻るのだった。
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