第105章 【微エロ】【逆ハールート】なんでもない日常

「あれ？　コロッケ一個なくない？！　俺まだ一個しか食べてないよ？！　三つ食ったの誰ぇ？　カラ松お前か？！」

「は？　俺はちゃんと二つしか取ってない！」

「じゃあ一松？！」

「…………」

　そんなおそ松の言葉に一松の視線はチラリと十四松に向く。
　無言でまるで口の中がミキサーにでもなったかのような夢中な食べ方をしている。
　目は無と言うかいつもの猫目で誰の声も聞こえませんと言うような振る舞いだ。

「知らない」

「えー！！　なんだよぉ、言えよぉ、俺だったら絶対食ったら食ったって言うし！！」

「ま、まぁまぁおそ松。おかわりはまだあるから持ってく」

　ナス子がぶすくれたおそ松の機嫌をとるように仕方ないなぁと言う笑みを浮かべて立とうとするとおそ松がビシリとそれを止める。

「いや、そういう問題じゃないから！！」

「えー、別におかわりあるんだからいいじゃん」

「良くない！　俺はここにあったコロッケが食べたかったのっ」

「出たー。長男の駄々っ子」

「駄々っ子じゃねぇしっ、普通だし！　ルールに乗っ取って怒ってるだけだしぃ、こういう時は気を遣うもんだろっ」

　おそ松の口からルールだとか気を遣うという言葉が出てきた事に目を丸くする六人。
　どの口が言えたもんかとその後目を細めてしまう。

「…………まさかクソ長男からその言葉を聞くとはね、意外と言うかホントよく言えたよな」

「ホント、いつも一番ルールだとか気を遣うだとか出来ないくせにねぇ」

「確かに！！」