第105章 【微エロ】【逆ハールート】なんでもない日常
起こさないようにソロリと襖を開けて中に入り襖を閉める。
やはり真っ暗な部屋で六人は爆睡していた。
「ただいまー」
zzz……スゥー……ガァ……ウゴゴ……
「ふふ、相変わらずイビキ煩いなぁ」
日課の一つ、ソファに座り彼らを観察するの図。
膝に方杖をつき、一人一人と視線をうつし、顔がニヨニヨとなるのを止められない。
先程の疲れなどふっとぶ程に心の中がポカポカとしてしまう。
今日はどこで寝ようかなんて考えているとふと寝入っている松達の口から言葉が漏れ、順々に会話を交わしていく。
「今日のとんかつ美味しかったね」
「美味かったよなぁ、おかわりしたかったぁ」
「ナス子のとんかつ食ってたよなお前」
「とか言って他の皆も食べてたよね」
「まさにジュ―スィー。肉を前にして食いつかないのは男じゃない」
「……男とか女とか関係なくない? そこに美味い物があれば食うでしょ」
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「…………え?」
急に始まる会話にいつ六人が起きたのかとビックリしてしまう。
「起き……てる? ねえ?」
zzz……スゥー……ガァ……ウゴゴ……
目は瞑っているのに、スラスラと会話していた六つ子の顔を再度覗くと、また口は閉じて寝息と共にイビキが聞こえる。
「…………えええぇ、寝てる? 怖っ。寝言で会話が成り立ってるよこの6人!!」
いや、待て。
今は寝言に驚くところではない、会話の流れを考えれば先程の悲しいとんかつ事件を思い出す。
癒されていたのに射殺(イヤ)したくなってきた。