第105章 【微エロ】【逆ハールート】なんでもない日常
仕事の日、その日はだいたい夕方にアラームをセットしているナス子。
しかしだいたいはいつも暇している恋人達の誰かが起こしにきてくれる事が多い。
または、その母親である松代が。
今日は珍しく誰も起こしに来る事はなく自分の部屋で眠っていたナス子はアラームをとめて大きな欠伸と共に起床する。
マンションと言う一人暮らしから、恋人達の実家である松野家にうつってから既に月日は経っており、それに加えて昔から幼馴染としてここによく通っていた分、より生活にも馴染みやすかった。
「ふぁ~~~、まだ寝てたい……昨日の仕事も忙しかったし」
誰が聞いている訳でもないのに目を擦り、ブツブツと愚痴をこぼすが、毎度ギリギリの時間に起きているので口だけでなく身体も動かす。
立ち上がって制服に先に着替え、上に適当なパーカーも羽織る。
下の階で歯を磨こうとすれば、通り道の六つ子の部屋から出てきた一松とミケ子に会った。
隣の部屋からのアラーム音でナス子が起きたのだとわかったのだろう。
偶然を装いつつも、顔を見に来たに違いない。
「あ、今起きたの? おはよう」
みゃ~
「ん、おはよ。ミケ子、一松~……ふあああぁ~」
「でっかい欠伸。ちゃんと寝れたの?」
ミケ子を抱っこした一松にそう聞かれ、ピクリと肩が上がる。
今朝は仕事から帰り、ご飯・風呂を済ませた後にひたすらゲームをしていた。
気づけば寝落ちしていたのだが、最後に時計をみた時間的には確実に寝不足の部類である。
「う、うん」
「………なぁんか……口元がひきつってない? ねぇ」
疑わしい表情が下から覗き込んできて、慌てて顔を天井に向けるナス子。
出くわしたのがまだ一松で良かったと思う。
これがチョロ松なら時間云々関係なく説教されて確実に仕事に遅刻させられてただろう。