第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
なんだかんだあって、色違いパーカーを着ている六つ子ってだけでも名前の区別はつきそうだが、それでも何度も名前を間違えてくるナス子に配慮し、仕方なくパーカーに名札をつける面々。
「これで間違える事なく名前呼べます、良かったぁ。ありがとうございます」
何度も名前を間違えてしまい忍びないと思っていたナス子はその配慮を有難く思いニコニコと笑う。
対して、名札を付ける事となった兄弟達の感想。
「名札なんて学生ぶりくらい? いくら六つ子と言えどこの年齢になってこんなの付けないよね普通」
「名前間違えてるぞ? チョロ松じゃなくてシコ松だろ?」
「うぉい! コルァ、長男!! ホントに間違えて覚えられたらどうすんだよっ」
「なんでカラ松兄さんの名札だけキッラキラしてるの?」
「フフン、名前にアイデンティティも大事だぜぇトッティ~」
「……それにトド松だってなんかデコってるよねそれ」
「へへ、可愛いでしょ? キラッキラの名札よりも読みやすいし癒し系だから」
なんだかんだでシンプルな名札の者もいれば、自己流にアレンジしている者もいる。
「一松さん、猫好きなんですか? シール可愛いですね」
「え………あぁ、猫……好き、だけど」
たったの一日、名前を呼ばれてなかっただけなのに、急に名前を呼ばれると嬉しくなるもので無表情な一松は誰にも見えないようガッツポーズをしていた。