第104章 【逆ハー:卒業ルート】王道パターン、発動パートⅡ
決して今、この中から恋人を一人に絞れと言われてる訳でも、結婚相手を絞れと言われている訳でもないが……自分が原因でこのような会話がされている事に更に申し訳なさを感じてしまう。
「悪いがおそ松、ここはツートップである俺にだって独占する権利はあると言えるだろう。お前だけの好きにはさせないぞ!」
「おい待てよクズクソツートップ。兄弟順なんて言ったらもうそれ完全にお前らが得するだけだろ?!」
「確かに! ボクだって姉さんをたまにはボクだけの恋人って思いながらエッチしたぁい」
「………これ、埒飽かなくない? だってこんな所で話してても決まる訳でもないしナス子にだって何も言ってないし許可ももらってないし、実際この三連休でグータラ過ごす予定なのかもしれないし」
とは言うものの、結局そのグータラは邪魔されて結局色事に連行される事も多いナス子ではあったが、最近ではコチラの気持ちも考えて遠慮してくれる六つ子の姿も目に入る。
「もう━━━━━━━━━━さ、ナス子が受け入れてくれるかはわかんないけど解決法は一つしかなくない?」
「え、一松兄さんそれって……」
ゆらりと立ち上がる一松は、急に爪が猫並みにシャキーンと伸びる。
瞳も獲物を狩る動物のようだ。
「あ~結局そうなるよねぇ。俺悪いけど負けないよぉ?」
同じく立ち上がるおそ松は手をバキバキ鳴らしてニヤりと口端を上げた。
「フフーン、ラヴァーを独占出来ると言うのなら俺だって本気でやらせてもらおう!!」
準備運動をしながらカラ松も負ける気はないようで余裕な表情のまま立ち上がる。
「ま、待ってよ皆! 一応言っておくけどさ、三日もあるんだよ?! それなら一日交替で勝ったヤツが一日だけ独占するって事でどうかな」
「えー?! たまには休み中にまるまる独占したーい! お兄ちゃん、エロイ事以外だってしたいんだけどぉ? デートとかぁ」
おそ松がデートと言えばどうせ、パチンコか競馬場なんだろうとそんな事を思うナス子。
全員の気持ちはわかるし、嬉しい事には変わりはないが、何か心がザワつき嫌な予感がする。