第101章 【逆ハールート:短編】彼らの場合
「ま、まさかねぇ~。さすがに財布からお金出して持ってっちゃうとかはおそ松くらいだもんね!」
うんうんと自分の心を納得させてトド松を待つと、二つのビニール袋をパンパンに抱えて笑顔で戻ってくる。
「マジか、そんなに買ったの?!」
「へっへ~ん。ありがとうナス子姉! ついでにぼくも欲しいもの買わせてもらっちゃったぁ」
「そ、その手があったか━━━━━━━━━━!!」
「ふふん、まだまだ甘いねぇ。残念姉さんはぁ」
してやったりな顔をするトド松にナス子は頭を抱えたが、今更返品させるのも忍びない。
「……ぐぅ、やられたああああぁ」
「ちょっと最近お金使いすぎちゃって買い物も出来なかったんだよねぇ、いやぁナス子姉がダサくて良かったって今日は本当に思うよぉ、本当にありがとうね、へへっ」
「ぶち殺したーーーーい!!」
叫んでも後の祭りという奴だ。
結局はトド松の口車や作戦に載せられまんまとハメられ、奢らされてしまった。
六つ子はみんな、大好きで愛しい相手。
だけどこれだけは忘れてはいけない……
━━━━━━━━━━全員、クズだという事を。