第101章 【逆ハールート：短編】彼らの場合

　早速足早にペットショップへと向かう二人。
　お金は貸しと言えど、ミケ子のオヤツは自らが購入する。
　
　そこはあくまで自分が飼い主であるというよくわからない譲れない矜持があった。

「おぁっ、一松見て！！　こっちにミーアキャットがいるっ」

「ミーヤキャットだって？！　………あぁ、でもキャットはキャットでも猫とは違うんだ」

「でもさ、ゲージから手を出してクークー鳴いてるよ〜。可愛い、今時のペットショップにはこういうのもいるんだね？」

「時代も変わりましたなぁ……いやまぁ、俺昔のペットショップとか知らないけど……」

　すぐ側で猫の餌を買いながら一松はちらりとミーヤキャットを見つめる。
　正直猫以外に興味があるかと言えばない。

　だからと言って、人間に比べれば動物は何倍もマシだ。
　ナス子とミーアキャットの手が触れ合って、それだけでも胸がキュンとする。
　どっちにキュンとしているかはそこは秘密。

　その後、ミケ子のオヤツも購入し二人で野良猫達の元へと向かったが今日はお留守のようで顔は見る事が出来なかった。

・
・
・