第100章 【リク作品】【R18】触らぬ神に……(2.3男)
それはいつもとなんら変わらない日常になるはずだった。
「おい、ナス子! お前はまた何でもかんでも出しっぱなしのやりっぱなしにして! 学習能力ないのかよ!」
「えー? 最近は気を付けてるよぉ?」
「どこがだよ! 服は脱ぎっぱなし洗濯物は取りこんだまま放置してあるし食器も水切りにずっと置いたままじゃん!」
「コップはよく使うしいちいち棚に仕舞わなくてもいいかなって」
六つ子全員と付き合うことになってから、休日には変わる代わる誰かしらが訪ねてくるようになっている。
それは完全にランダムで規則性はなく、開けてみなければわからないビックリ箱のようなものだ。
一人で来る時もあれば二人の時も、三人の時も四人の時もあるし、六人いれば組み合わせは6C2,6C3……と数学的な計算が必要になってくるので割愛しよう。
今日現れたのは松野家の次男と三男。
カラ松とチョロ松だ。
なかなかレアな部類に入る組み合わせである。
「チョロ松、いいじゃないか、俺たちで片づけてやれば。ナス子は仕事もしているし、疲れているんだろう」
「カラ松……! 今はアンタが天使に見える……!」
「カラ松。お前がそうやってナス子を甘やかすからいつまでたってもコイツが成長しないんじゃないの?」
「ふふん、チョロ松それは違うぞチョロまぁつ……愛する女はいつでもどこでも甘やかしたくなるものなんだ……俺のようなイケてる男は、な……!」
「相変わらずまともに会話が出来ねぇなお前は! ったく……ナス子、いいからほら、片づけて」
チョロ松の指示にしぶしぶ重い腰を持ち上げたナス子は、のろのろと床に散らばった服を拾い上げ始める。