第99章 【リクエスト作品】【R18】【カラ松ルート】イタくも愛しい
深夜、既に兄弟達が眠ってしまった時間。
仄かに光る懐中電灯の明かりのみで作業をしている彼は必死に何かを作成していた。
何枚もクシャクシャにされた丸紙が転がる中、またも何度も書き直した皺が出来ているメモを握りしめる。
「フフフフ~ン、よし、これなら完璧だ……いくら出不精のナス子と言えどこのパーフェクトな計画ならば俺へのトキめきを隠せないだろう、フフ……フフフフフ」
「なに? 気持ち悪いんだけど」
「ああ、悪い。起こしてしまったか。ならば子守歌でも」
「すぅ……」
隣で眠っていた一松に訝し気な目で見られビクリと身体が反応する。
誤魔化そうと子守歌を提案した所で、時すでに遅く一松はすぐに夢の世界へと戻って行った。
「んー? まぁ、いいさ」
ニヨニヨと口元がニヤける彼の手には、今しがた握りしめたメモがあり、それを一から読み直す。
いつも外出デートは死ぬ程嫌がる面倒臭がり彼女。
しかしカラ松は外の世界をもっと彼女と堪能したいといつも思っていた。
家の中でのイチャイチャだって嫌いではない、だがたまには外に出てカップル感を味わいたいのだ。
時計を確認するともう時刻は朝方に近い、きっと仕事帰りの彼女もそろそろ眠りにつく事だろう。
「ふぁ……随分遅くなってしまったな……だが、そろそろ頃合いか……寝るか」
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