第98章 【十四松ルート】元気を分けてあげる
姉さんがペコってお辞儀をして、ボクも一緒にペコっと頭を下げる。
顔を上げると、キョトンとした顔の姉さんと目が合った。
「十四松が臆病? なんで?」
「んーとね、ボクの力だけじゃ姉さナス子を笑わせたり元気に出来ないんじゃないかって思ったからっ、だから兄さん達に相談しちゃったんだ」
「っ………そ、そんな事ないよ! 十四松は元気もくれるし笑わせてくれるよ、それに泣きたい時は泣き止ますんじゃなくていっぱい泣かせてくれるし……その………安心させてくれる、人、なの」
「マジでっか!!」
「マジでっせ……」
そっかぁ、ボクちゃんと心配してた事出来てたんだ。
それに姉さんを安心させられていたんだね。
「良かったああああああああぁあぁぁ」
「うぷっ、く、苦しっ」
思わず力いっぱい抱きしめたら、まるでプロレスの技のようになってしまって、姉さんはギブアップの呻き声を上げた。
身体を放しても、また思い切り抱きしめる。
「ナス子、いいものあげる! ボクのとっておきだよ!」
「ん? 何、とっておき?」
少しだけ寄せ合った身体を放して見つめあったら、ボクは姉さんの両頬をガシっと掴んでまたボクの口に吸い寄せた。
「元気、注入~~~~~~~~~~っ!! ん~~~~~~~~~~~!!」
ちゅーーーーーーーーーーーーっと強く音を立てて。
わざと部屋に大きく響くようにチュウチュウ吸い付く。
「~~~っ、んーーー!! っ?! んっ、んっ」
「……っは!! どう?! 元気もらった?!」
「く、唇がふやけるわっ、馬鹿ぁ」
ボクの姉さん。
ボクだけに見せてくれるナス子の顔。