第98章 【十四松ルート】元気を分けてあげる

「なんだよ、最近元気ないとか十四松が言ってたから顔見に来てやったのに結局ラブラブくっついてるし、来るんじゃなかったね僕ら」

「ご馳走様でした……さ、帰ろ帰ろ」

「ったく～、だからぼくは一緒に行くのは嫌だって言ったんだよ！　ヤなもん見せられるに決まってるしねぇ」

「とか言って、一番心配してずっと大丈夫かなぁ～とか口ずさんでたのはどこの誰だっけトッティ～」

「い、一松兄さん余計な事言わないでよ！！」

　忘れてた、最近姉さんが元気がないからどうしたら元気になれるか皆にも相談してたんだった。
　しかもあろう事か遊びに来て玄関のカギを閉めるの忘れちゃった……。


　あああああ、こ、これは後で怒られるヤツだ、絶対に！！

「し、心配……して来てくれたの？」

　泣き顔を見られないように目を思い切り擦ったのに、姉さんは兄さん達とトド松を見てまた涙腺がおかしくなって涙を流してしまう。

　えー、ボク以外にそんな顔見せて欲しくないのにぃ！！
　それでも、少し安心してしまったのは、もしかしたら皆が居れば姉さんが元気になるかもしれないと思ってしまったからだ。

　ボクはダメだなぁ、皆に頼っちゃうなんて。

「ハッ？！　何泣いてんのお前……じゅ、十四松これどういう事ぉ？！」

「おおおお、落ち着くんだナス子！　ほら、このカラ松オリジナルハンカチで涙を拭くといい」

「それ多分余計に泣くからやめた方がいいでしょ、ったく。とりあえず座るよ？」

　姉さんの断りもなく、皆はボクの視線だけ確認する。
　コクリと頷くと、全員がコタツに入った。

「━━━━━━━で？　急になんで泣いてるの？　十四松兄さんと喧嘩でもした？」

「そんな事してないよトド松、えーっと……」

　言っていいのかわからないから、姉さんの顔色を伺う。
　元気のなかった姉さんは今も元気はなく生気のない感じに涙を流したまま下を向いてしまっている。