第93章 【逆ハー卒業ルート】今日はなんの日?
だって六人だよ?!
自業自得かもしれないけど本気で体動かなくなるまで虐めてくるんだよ。
「ナス子、いつもありがとう。 感謝してるって……働いてくれてる事も……」
一松は無理やり首を力づくで戻して私の耳元で囁く。
小さすぎて、周りのメンバーには聞こえないんじゃないかな。
「一緒に居てくれてありがとう」
「~~~~~~~~~~~ず、ズルイそういうの!」
「え、なに? いちまっちゃん何て言った?!」
「………さぁ、秘密」
こんなんでさ、絆されて力が緩んじゃうんだから恋って凄いよね。
私の求めた勤労感謝は無視されたけど、次々に囁かれたり告白されたり、言われ慣れない事を言う六人だから余計にね。
「俺さ、ちゃんとありがた~いって思ってるんだよぉ? お前が居てくれるから俺も安心してニートでき……じゃなかった! ナス子と一緒に居れてすっげえ幸せって思えてるんだからな」
「なんか違う言葉が最初に」
「なはははは、気のせい気のせい!!」
「ナス子、お前はいつも俺達の為に身を削り養ってくれている。サンキューだ……その、俺は……あまりこういう時こそ実は緊張してしまうんだが、う゛ぅん!! 愛している、一生一緒に居たいと思える事に感謝だ」
「なんでイタ松って真剣になると急に真面目になるのぉ?! こっちが赤面しそうだからやめろおぉぉ」
それぞれが、変わるように私の頬や手の甲にキスしたりしながらくっさい台詞を吐かれて、泥でも砂でも吐きそうなのに嬉しいとか感じてしまう。
いやぁ、乙女な部分もあるんだなぁ私。
「まぁ感謝してるよ? ナス子がいないと物足りないって言うか、一緒にいて毎日が充実してるってのもあるし。逆に考えて、いない日常の方がもう落ち着かない訳で………だから、あり、ありがとう」
「や、やめるんだチョロ松! 私そろそろ心のHPがゼロになりそう!! キュン死にさせる気?!」