第91章 【逆ハ卒業ルート】HAPPY HALLOWEEN 2018
松野家で暮らし始めて早何か月か経った頃。
10月31日、ナス子にとっては毎年物凄く面倒臭い時期がやってきた……。
「なんでこんな日に休みかなぁ、公休日でも出勤すれば良かった」
自分の部屋があると言うのに、一人その部屋で寝る事は許されておらず毎日六つ子と一緒に隣は代わる代わる写真選定方式で今も寝ている。
季節は秋と言えど、今年の秋はどこにいったのかと思う程夜~深夜にかけて冷える。
そう考えれば、夏に比べあの大所帯の中で眠るのは暖をとるには最適と言えば最適だった。
既に起床した恋人達は皆部屋から出たようで誰もいない。
ナス子が目を覚ましたのは昼過ぎで、夕方にいつも起床する癖のあった自身も前よりはマシになってきたのではないだろうか。
実際ハロウィンと言う季節は心が躍る。
ナス子は一年の中で一番好きなイベントでもあるし、グッズを見れば心も踊る。
だが、それとは違い毎年一人暮らしの時にも無理やり不法侵入して菓子を強請るダダっ子共に翻弄される人生が続いている。
「はぁ、二度寝しよ……」
スマホの時間を確認してまだ昼過ぎを確認した最中。
休みの日はいくら最近盛り上がってきたハロウィンイベントと言えど関係なく枕に突っ伏す。
虚ろ虚ろとしてきた時、勢いよく扉が開かれ、誰かは知らないが起こされると思うとわざとらしい寝息をたて寝たふり狸を演じる事とする。