第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
ひとしきり園内を回って、お互いが大丈夫なものに乗って
ひとしきり喧嘩もして笑って、気づけばもう夕方だ。
「ふぁ…」
俺の手を握る彼女は大きな欠伸。
んで、俺も。
「ふぁ~~~~」
欠伸が移った。
「そういやお前昨日仕事あったの?」
「うん、あったよーだから今日明日で休みとれたってのもあるけど」
ふーん、じゃぁコイツほぼ寝てねぇじゃん。
あ、友達ちゃんも同じなのかな…。
二人して元気だなコイツら。
「そろそろ眠くなってきたんじゃね?あんま寝てないんだろ?」
「んー・・・」
ナス子を見ると片方の手で目をグリグリ擦ってる。
あぁ、もうかなりオネムモードだわこれ。
「帰るかー」
「ん、おそ松はもういいの?遊びたいのない??」
「いや、俺はもういいかなぁ。今日一日結構楽しかったし」
「そっかー、じゃぁ帰ろうかぁ」
言うと、俺たちは園内の外に向かって歩き出す。
「お前さー」
「なにー?」
たまにでいいからそういう恰好しろよ。
って言いたかったけど、なんでか言えなかった。
「眠い顔、ほんと化粧しててもブッサイク」
「ちょっと、失礼な事言わないでくれる?!これでも今日はほぼ寝ずに一生懸命化粧して服も一生懸命どれにしようか悩んでたんだからね!」
ほーぅ?なにそれ、ちょっとポイント上がるじゃーん。
「俺の為にぃ?」
ニヤリと横を見下ろす。
「違う、ダブルデートだったからだよっ」
強がってもわかるけどな、手ぇ、汗かいてるから。
「あ、そこのカップルのお兄さん、お姉さーん!」
二人歩いてると、知らないヤツに声をかけられた。
二人でそっちを見るとデジカメを構えたカップルが立っている。
「あの、すみませんもしよければシャッター押してもらえませんかぁ?」
うわ、この彼女の子可愛いーーーーー!!!
「おそ松くぅん、また目がハートになってますよー?」
手を繋ぎっぱなしだったナス子がニヤニヤとみてくる。
これは生理現象だろ?可愛い子がいたら目がハートになるのくらい普通だからね?!
「うっせーな、アイツらの写真撮ってくるからお前ここ座ってろ」