• テキストサイズ

【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第89章 【おそ松ルート】怪我の功名塞翁が馬



「ナス子!」

「うわっ、ビックリしたぁ!」


 勢いよく開いた扉から、血相を変えたおそ松が部屋の中へと飛び込んでくる。


「ちょっとおそ松、病室なんだから大きな声出さないで……すみません看護師さん……」


 真っ白に洗われた清潔感あふれるシーツの敷かれた狭い病院のベッドの上、仕切られたカーテンの向こう側にいる病人に配慮し、ナス子は慌てて人差し指を唇に当て静かにのポーズ。


「血圧も正常ですね。熱もないですし、問題ないですよ」

「ありがとうございます」


 広げていた医療用具を手早く片付け、一礼をして看護師は次の入院患者のところへと向かう。
 一連を黙って見ていたおそ松が、ベッドの傍らに置かれたパイプ椅子にドカリと腰を下ろす。


「…………」

「ちょっと……なに? なんか怒ってんの? 来て早々怖い顔してさ……どしたの?」


 仏頂面アンドじと目に無言で睨みつけてくるおそ松に、ナス子はなんとなく肩をすくめてしまう。


「ちょっと……ねえってば、黙ってたらわかんないんだけどっ」

「………っハァ~~~~~~~」

「だんまりかと思ったら突然の盛大な溜息?! あっ……大きな声出しちゃった……いけないいけない」


 とある病院の一室。
 四人部屋ではあるが、隣と斜め向こうのベッドは空いており、部屋の中にはナス子ともう一人入院患者がいる。
/ 2205ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp