第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
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日が昇りもう互いの浴衣などはグチャグチャにその変に放置され本当は汗を流したい所だがそれも適わず全員がある意味大満足な気分で眠りにつく。
一番疲れ切ったナス子だったが、心地よい気だるさを抱えながらも六人を見回し口元が緩む。
ちゃんと期待されていた台詞が言えた事、自分が大事にされているという事、一時怪しんではいたが浮気などこの六人はするハズもないという事など、しょうもない事ばかりも合わさるが……沢山沢山与えられてばかりだ。
「おやすみなさい、可愛い弟達」
弟なんてもう全く思ってない、思ってはいないがなんだか気持ちよさそうに眠る六人が昔一緒に遊んでいた時と同じように無邪気で無垢で純粋に見えると、ついそんな言葉が漏れる。
既に就寝をした幼馴染達を追いかけるように目を瞑り、せめてと手を伸ばし、クシャクシャにされてしまった浴衣を羽織り、思い出したようにノロノロと起き上って、部屋の外には「起こさないでください」と言う看板をドアノブにかけた。
身体は眠いのに、旅行の興奮からか中々寝付く事も出来ず悪い癖が出てきてやはり海に行きたくなってしまう。
怒られるのは目に見えていて、一人でそこに行けばきっとカラ松やチョロ松に説教されるだろう。
部屋風呂に入るのもいいが、今は余韻に浸り自然と交わりたかった。
愛を確かめ合った後、少し気持ちに浸りたくなるのは何でだろうか。
体力もない癖にウズウズと好奇心まで湧いてしまってきたのだから困ったものだ。
久しぶりに来た旅行。温泉だけじゃなく、広い館内を散策もしたいし外の景色だってこんなにいいし、まだ薄暗いと言っても太陽は昇り始めていて天気だっていい。
「もう朝だし行ってもいいかなぁー、怒られるかなぁ」
「ん………ナス子……? 寝てないの?」
「一松。ごめん、起こしちゃった?」
「いや、別に……もしかして、どっか行こうとしてた……? トイレ?」
「トイレじゃないよ、あー……ねぇねぇ一松、なんなら、共犯者になってくれるつもりはないかい?」