第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
「フーン……安心しろおそまぁつ。既にナス子には今朝洗濯と干し方等を伝授したばかりだ、今はその休憩中だ。フフン」
ナス子が家に入ったという事で得意気に家事をしつこく教えようとするカラ松。
ナス子にとってはちょっとウザい旦那候補がキメポーズをしている。
しかし誰もその言葉も姿も見えてはいない。と言うか見ていない。
松野家の二階で寝転がり畳の上でゲームをしているナス子を囲むように散らばった六人が好き放題やっている中、一緒にこの家に住むことになった愛猫のミケ子はと言うと、幸せそうに一松と共にじゃらしで遊び惚けていた。
「あくまで嫁、候補!! ですからね、まだ嫁じゃないし、なるとも言ってないけど!!」
「まぁまぁ、そう言わずとも。今すぐにって訳じゃないしぃ、いずれは気が変わるかもよぉ? あ、この服可愛いなぁ、買っちゃおうかなぁ」
「早い所長男の俺を選べばいいのにぃ、幸せにしてやるってのにさぁ~」
弾んだ声の末っ子が自分のスマホを弄りながらナス子に軽口を開くが、当のナス子はゲーム機を奪われたあげく、そのおそ松の口ぶりも相まって不貞腐れ顔。
「あのねぇ、一人を選ばない条件でこの家に入るって約束したからって早々に相手なんて選べる訳ないでしょ? ここに入るのだって相当勇気が要った訳だし……それだけでも称賛に価すると思うんですけどぉ?」
立ち上がりおそ松からゲーム機を取り返そうと手を伸ばすも、いつものように軽く何度も避けられてしまい高い位置にお決まりのように上げられてしまう。
「………おそ松、マリッジポイントー50」
スっと目を細めておそ松に低い声で言うと、おそ松がえぇ!!?と叫んでゲームをナス子に差し出す。
マリッジポイント……今適当につけてみたのだがゲームを取り返す効果はあるようだ。
「なにその評価! これから家にいる時って判定性になんの?! ありえなくない? てか、それって俺不利じゃね?! お前俺にばっか文句言うし!!」
「何か不利になる自覚があるんなら直せばいいんじゃないの?」
「さ~っすがチョロ松ぅ、わかってるー! マリッジポイント+5」
「少なっ!! 何でマイナスばっかでかくてプラスはそんな少ない訳?! つかさ、その点数どこまでいけば合格点に入るの?!」