第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
クソ残念な次男。
ギュっと拳を膝の上で握りしめてカラ松ガールがいるとつい言ってしまうが、一応否定らしい否定はするものの、その態度は肯定しているように感じる。
急いでカラ松の言葉をなんとかしなければと三男チョロ松が間に入り両手をブンブンと振った。
「いやいやいや、このクソ次男はただ勝手に言ってるだけで違うって言うか、違うから!! っていうか父さん母さん、いきなり座らせてなんなの?!」
「もしかして家庭崩壊の危機? また離婚するとか言わないよね……」
一松ははぐらかすように正座のまま虚ろな目をウロウロさせて話題を変えようとしている。
このままではバレてしまう。
まだ両親が自分達に恋人が出来た事など知る由もないと思っている兄弟達はとにかく必死に弁解の言葉を探したのだが、一松の言葉に十四松は素直に信じビックリして一松と両親を交互に見た。
「えー!! まじすか、まじすか?!」
「違うでしょ。今回はぼくらが質問されてるんだから……まぁ、誤魔化せる訳ないよね、さすがに……はぁ~」
六人が顔を見合わせ両親の言葉に反応して全員で論議をする。
違うと否定をしていても、だ、実を言うと彼女がいないと言う言葉は勿論嘘である。
トド松だけはもう半ば諦めて軽く溜息を吐いた。
ただ常識的に考えて世間一般的にはあり得ないお付き合いを六人はしており、一人の女性を共有して七人でのお付き合いをしているのだ。
「あなた達、もしかして隠してるつもりだったの? 今までのあなた達を見てればさすがに母さんも父さんも気づくわよ。それに頻繁にあの子も昔みたいに遊びに来てくれるようになったし」
あの子と聞くだけで親の前に座る息子達はギクリと肩をビクつかせる。
しかも昔のように……という事は、もう完全に両親が言っている人物は真奈美だ。
だいたい彼女の休みの日はこの家に遊びに来ており両親の前でイチャつく事はしていなかったつもりだったのだが、母親の目は誤魔化せない。
ましてや父にまで気づかれているとは思わずごくりと大きく生唾を飲み込んだ。
両親的には今更な事だったが、自分達から何も言ってこない事に痺れを切らし今回松造、松代は強硬手段に出る事にしたのだ。