第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
「いい加減にっっ、しなさあああああぁい!!」
朝の出来事。
朝食が終わり、食器も片づけずその場に脱ぎ立てのパジャマを六枚転がし、二階に上がろうとする今日も元気な六つ子達。
そんな様子に、松野家から響き渡る母の怒号。
あまりの声のデカさに家が揺れた。
毎度怒られる事に慣れている息子達。
そこまで気にならない六人ではあったが、今日の母はいつもよりも厳しく、叱咤の声に覇気を感じた。
さすがに空気を察し逃げようとした六人も後からややこしくなる前にと渋々と着替えをして居間に戻る。
寧ろ逃げようにも母がフライパンを武器のように構え、父が胡坐で座って待機している状況に逃げるに逃げられなかった。
黙々と口を開く事が出来ず、無言のまま六つ子は横並びに両親の前に正座で座る。
いい歳した成人越え男性達がこうも説教空間を設けられるのは何度目であろううか。
こんな光景も初めての光景ではない。
━━━━━━━━━━が、しかし。
今日は両親の雰囲気がいつもと違うように感じる。
これはただのチョロ松の勘であったが、その勘を確信に変えるよう母の松代から先に口を開き出した。
「アンタ達いつまでこんな生活を続けるつもり? そりゃ母さん言ったわよ? 貴方達がニートだろうと実はどうでもいいみたいな事……」
「しかしだな……もうお前達━━━━━━━━━彼女いるんだろう?」
父と母は威厳バシバシのどっしりとした態度で目の前の息子達を見て、わかっているような目で六つ子に問いただす。
それもそのハズ、最初にこの六人の誰かと幼馴染である彼女をくっつけようとしていたのはこの二人なのだから、気づかないハズもないだろう。
「と、父さん? ……彼女って、俺達は別にまだぁ」
おそ松は目を泳がせて汗を流し秘密の関係と言う約束を守らねばとたどたどしく否定の言葉を述べるのだが、残念な事に隣に座るクソ松から怪しい言葉と態度がダダ漏れに出てきてしまう。
「そうだぞダディ&マミィ、実はもう俺には心に決めたカラ松ガールはいるが……俺達はまだ誰とも付き合っ……ってはな、ない」