第84章 【R18】【おそ松ルート】おそ松の葛藤
ナス子の家からの帰り道、今日はナス子はマンションに帰るようでおそ松と共に歩を進めている。
「いやぁ、また緊張した! 飯吐くかと思ったわぁ~……はぁ」
「良かったね、吐かなくて。マズイと勘違いされる所だったよ」
「ああ、それは確かにっ」
手を繋ぎ、これでもかと言うくらいくっついて歩く二人。
歩きにくい事この上ないが離れたくない。
「今日はそっち泊まるからな? 嫌って言っても行くからっ、行っちゃうからね?!」
「わかってるよ、わ、私だって帰って欲しくない……し」
「あらららら、セッ×ス以外でも言うようになってきたよな最近! 大変宜しいっ」
「何故上から目線なのだおそまぁつ! 私の方がお姉ちゃんなのに!」
口端をあげ、歯を見せるおそ松は楽しそうにイタズラな顔で笑う。
愛しそうに文句を言う彼女を横目に見下ろしてギュっと手に力を籠める。
「けど、いつかは俺の方が大黒柱になる訳だしぃ?」
「ん?」
「━━━━━━結婚、まだ今は無理だけどナス子の事を一生大事にするってぇのは、嘘じゃないよぉ?」
瞳に吸い込まれそうだ。
おそ松はこんななのに急にカッコよく見える時がある。
これがLOVEマジックなのだろうと思うけど、その魔法は一度かかれば中々解ける事はない。
「ふ、ふん! そんなの待ってたら私はお婆ちゃんになっちゃうからっ」
「おい、それ俺がそんなに就職出来ないとか言いたいの?! 傷つくぞ俺が!!」
手を離しスタスタを前を歩き出してしまうナス子を追いかけおそ松が顔を覗き込む。
なんとも言えない恥ずかしそうな顔が目に入るとおそ松は楽しそうに笑った。
「なぁんだ、照れてんの? まぁ、俺って超カリスマだしカッコイイし!」
「もう、十分大事にしてもらってる!!」
「え、あ、んん?!」
「ば━━━━━━━━━━か!!!」
完全にこの恋人関係に慣れるのはもう少し時間がかかるかもしれないし、それともおそ松相手には一生皮肉や素直になれない所は出てしまうかもしれない。