第84章 【R18】【おそ松ルート】おそ松の葛藤
ナス子は久しぶりに実家に遊びに来ている。
日頃の疲れもあり、まだ空いていた自分の部屋にこもり休みにグータラと寝ころんでゲームに勤しんでいた。
「ナス子、あんた家に帰った時くらいちょっとは手伝いなさいよ」
「えー、うん。わかってるよぉ」
母親に言われ返事半ばに重たい口を開く。
実家にくるとつい甘えてしまうもの、もう何年か経つ一人暮らしも落ち着くが実家にくると安心感と言うものが芽生えやっている事は普段と変わらないのにいつも以上に寛いでしまう。
「ナス子~、アンタももういい歳なんだしそろそろ彼氏とか結婚相手とかいないの? お母さん心配だよ、出来れば孫の顔も生きてるうちに見たいなぁ」
その言葉を聞き、ギクリとしてしまうグータラなナス子。
彼氏はいる。
しかもウチの家族も家族ぐるみで長く付き合っている松野家の一員。
その長男であり自称カリスマ、レジェンド、人間国宝になる予定の馬鹿で脳内が小学6年生でニート、いざとなると機転も利き頼りにもなるが基本はアホ。
すぐ調子に乗るし、礼儀すらきっとなっていない。
今更この松野家の六つ子と付き合ってるなど恥ずかしいし親がどう思うか心配でならない。
が、しかしそんなナス子の想いを余所に玄関のチャイムが鳴るといつもの大好きな声が耳に入ってきた。
母が部屋から出て玄関に向かう。
「こんちゃーす! おばさん、ナス子いるぅ?」
「あぁ、えっとチョロ松くん? 久しぶり! 暫く見ない間に大きくなったわねぇ。ナス子なら二階の部屋でゲームして遊んでるよ、チョロ松くんからも何か言ってやってくれない? 家に折角遊びに来たのにずーっとゲームばっかりしてるのよねぇ」
「おそ松だけどね! あいつまたゲームぅ? どこに居てもやる事成す事変わんねぇなぁ」
ナス子の母はナス子に似て声がデカい。
そして今だに六つ子の区別が判別できていない。
母の大きな声にこちらも会話が丸聞こえだし、おそ松が何か母に言ってしまわないかと扉に耳を立てて心臓がドキドキと早鐘を打った。
「ま、いいや! おばさん、上がるよ~?」
「どうぞー、上で暇そうにゲームしてるから構ってやってちょうだい」