第81章 【十四松ルート】ステイ
「あの、ありがとう一松」
「一松兄さん、ありがとう!!」
こんな配役、全く自分らしくない。
そんな事を考えながら後ろ手に手を振り、まだ眠い体のまま一松はマンションを後にした。
それを確認するか十四松の動作が早いのかすぐに床に押し倒されてしまい、乱暴に唇を貪られる。
「んっ……ん、んぅ……ちょ、ちょっと十四松! ちょっと激し」
「実はね、いつも少しだけ我慢してたんだ!姉さん体力ないからすぐ力尽きちゃうし!」
「Watts?!」
「今日はボクね、いつもよりもタッティしてるし我慢出来ないよ? だからね、ステイは聞かないから!!」
ニコニコする十四松はすぐに上着を脱いでナス子の唇に軽く口づけると額、頬、耳、首筋と沢山のキスをしていく。
「あいたっ! 首を噛むなっ」
「だってぇ、言うでしょ? 食べちゃいたいくらい可愛いって」
「…………じゅ、十四松のお好きなままに」
その後、我慢から解放された十四松はナス子の体力が尽き果てるまで愛を満たす行為をするのだが、それは収まる事なく幾度となく身体を食べられているような感覚に襲われ続ける事となる。
だが、ナス子も昨日の今日で甘いその感覚に酔いしれながら二人の行為は獣と化した十四松が完全に満足するまで続けられたのだった。
もう動けないくらいに布団にうつ伏せになるナス子を上から十四松が重なるように息を荒げてくっつく。
沢山汗を掻いてしまい二人ともべっとりとしたその汗は気持ち悪い所か何故か今日はそれが心地よかった。
「姉さん、疲れた?!」
「つ、疲れた、けど……満たされた」
「あははぁ、これからもボク! 我慢はしないよ!! 大好きっ」
「……もうっ、好きにして!!」
結局最後は元沙耶。
元気で明るい可愛くて恋人思いの素直な十四松。
そんな彼を甘やかしてしまうのはきっと、これからもずっと続いてしまうのだろう。