第77章 【逆ハー卒業ルート】焼肉パーティ
「そー! そうだよいちまっちゃ~ん! もっと言ってやってぇ?」
「ハッ……ちょっと待て……な、なぁ……つまりそれって……ゴムなしでも別に問題な━━━━━━━━」
「━━━━━くはないからね? DNAうんぬんは抜きにしても、子供が出来る出来ないはまた別の話なんだから、ちゃんと避妊はするべきだと僕は思うね」
いつの間にか話がおかしな方向へと変化してしまっている気がするが、六つ子たちは至って真剣……とまではいかないが、どうやら大事な話なようだ。
だがこの話題、今いくら話してもそもそも解決するとかしないとかそういう問題ではない。
「あー……ボク、なんか姉さんに会いたくなってきちゃったなぁ」
ふいに、十四松が呟くようにそう言って、窓から快晴の空を見上げる。
幼い頃からの幼馴染とはいっても、旅行のことはさておき、これだけ長い時間を実家で一緒に過ごしたのは初めてだったし、さらに、初めてだらけの特別な日になった時間でもあった。
各々、この数日間のことを思い出しているのか、部屋が静寂に包まれる。
「ま、いつでも会えるから! 家近いし、彼女だよぉ? それにアイツも料理習いに来るって言ってたし」
おそ松がその静寂を破るようにニカリと笑い鼻の下を擦る。
「そうだね、僕達の腐れ縁のような関係と交際だってまだまだ続く訳だしみすみす逃がしてやるつもりもないからね」
「……チョロ松って、ナス子には結構Sだよね………」
「え、そうかなぁ?」
「あんまりナス子姉さんを虐めないでよ、チョロ松兄さん! また逃げちゃったらぼく達も大変なんだからさ」
「んー、自覚はなかったけどな。 とりあえず会いたい時は会いに行けばいいでしょ、おそ松兄さんの言う通り」
そうチョロ松が答えると、全員がニヤリと笑う。
次のナス子の公休日を知られてしまい、早速六人でマンションに押し掛け、ナス子の平和と言う日常を奪いとる六つ子達であった。
お泊り編:完