第74章 【逆ハー卒業ルート】主婦は偉大だ2
「は? え? 何なの突然」
急な土下座に訳もわからず一歩引き、疑問マークが頭に浮かぶ。
これは先ほどのキレた自分への謝罪なのだろうか。
そう思ってはいても聞かなければわからないのでとりあえず黙る。
「あの後、全員で反省したんだよ。僕らもナス子に対して失礼だったなって、だから……ごめん」
一人だけ生き残り後を頼まれたチョロ松。
6人であの後少し話をしてから全員で謝ろうという事になり今に至る。
のだが、中々踏み切る事が出来ず謝罪が遅れた。
「お前の意見無視した事は謝る!! けど、シたいのは今も変わんないからっ」
「俺も、その場の勢いであんな事を言ってしまい悪かったと思っている。……出来る、事なら他の兄弟達が卒業するよりも前にまたナス子の身体を感じたいとは思うが……」
「それは却下だからね、おそ松兄さんにカラ松兄さん。 既に美味しい所持って行ってんだからそこは我慢しなよ、ペナルティなんだからさぁ」
冷めた末弟は呆れた口調、冷めた目で長男次男に視線を送る。
それもそうだ、既に長兄は童貞を卒業した上、長男なんて自分達の恋人の初体験まで手に入れたのだから。
「そうそう! さすがにズルイ、さすがに!! ねぇ、一松兄さんっ」
「え、俺?」
いきなりの十四松の発言にピクリを肩を揺らし、まさかの自分に言矢が刺さるとは思っておらず、お腹を出して眠っているミケ子に視線を逸らす。
「そっ、それはそうだよね、俺もさすがにズルイって言うか……納得はいってないよね、急に悪かったとは思ってるけど」
「…………で、でもだからって今すぐシて来いとか言われるとさすがに私も……」
下を向き、なんと返せばいいかわからないナス子。
今度はトド松の肩を揉みながら若干手が緊張から震えてしまう。
「んー、ナス子姉は何がそんなに嫌な訳? まさか本命はおそ松兄さんとカラ松兄さんでぼく達の事は遊びだったとか?!」
「いやいやいや、そんな訳ないでしょ! それならキスとかハグとかしてないしっ」
さすがにもう物扱いはされてはいないと考え、一人一人の言葉と謝罪が胸に染み込む。
困ってはいるが、求められるとやっぱり弱い。