第70章 【逆ハールート】花見 翌日のお泊り
パタリと動かなくなったおそ松に、他の松達は心配する気配も見せず、むしろ安心したように各々止めていた手を動かしてケーキを咀嚼し始める。
「フッ……どうせならこのままくたばってくれればいいんだがな。クソ政権にピリオドを打ちたいとずっと思っていたんだ」
「今回はカラ松に同意だね、僕も。なんならお前も死んでくれて構わないんだよ? カラ松」
「んん~?」
「チョロ松……お前いい事言うな、たまには」
「たまには、が余計だけど、ここは素直に受け取っておくよ一松」
「……ぼくからしたら、兄さん達全員ウンコなんだけどねぇ」
そんなこんなで、全員がケーキを食べ終わり、ちゃんとお皿を流しまで下ろし、それをナス子が洗うと、居間は松代の目があるから、ということで、二階でゴロゴロしようという話になり、全員で上へと移動した。
居間が静かになり、松代が洗濯物を畳もうとやってくると、誰もいないと思ったそこには、ただ一人、おそ松だけがうつ伏せで寝そべったまま拳をキツク握り締めていた。
「おそ松、なにやってるの。みんな上に行ったわよ? アンタも行きなさい、邪魔だから」
そう言われて勢いよく立ち上がり、次の瞬間、おそ松の絶叫が家中に響き渡る。
「お前らもっと長男を敬えよ━━━━━━━っ!!!」