第68章 【番外編】おっちゃん
「え!! ん? ん?!! んんん?! 待って……、ちょっと待って?! 今の若者ってこんな事すんの?! ……付き合ってもいないのにぃ!!?」
「ん~? こんな事とは?」
おっちゃんが急に取り乱して先程赤かった顔が更に真っ赤になり、滝汗を流しながら数歩下がり6人から距離をとる。
質問してきたカラ松と目が合うとこれでもかと言うくらい壁まで下がった。
「ギャーーー!! おっちゃんの身体がナス子ちゃんだとしても襲わないでええぇえぇっ、中身おっちゃんだし楽しくないよきっとぉぉ!! 怖! 若者やっぱり怖いっっ」
「一体おっちゃんは何を言ってるんだ?」
「さぁ、知らね」
怯えるおっちゃんイコールナス子にこちらも多少の動揺は隠せないがそれより何よりもおっちゃんが読んだ記憶が気になる。
カラ松は隣に座るおそ松に聞くが首を傾げて訝し気に怯える人物を見るも、他のメンバーも同じように首を捻りながら顔を見合わせた。
だが、その中の一人だけは放っておく事はせず臆病なおっちゃんに近づき手を差し伸べる。
「どうしたのおっちゃん? 何に怯えてるの? 僕ら別におっちゃんやナス子が怯える事なんてした覚えないけど……?」
「イ━━ヤ━━━━!! 犯される!! 助けて神様ぁぁぁ━━━アッ! でも今神様来たらおっちゃん成仏しちゃうからやっぱダメだぁぁあっ」
「犯……っ、ちょっと! ぼくらを犯罪者みたいに言うのやめてよねおっちゃん! ぼくらはただ純粋にナス子姉の事好きなだけなんだから~っ」
ぷくりと頬を膨らませる見た目や言動だけは可愛いピンクの男。
しかしおっちゃんはナス子の記憶の中で、決して幼馴染同士というだけではする事のないキスや、旅行中の夜の出来事を覗いてしまいその時の感情までもがリンクした。
「あわわわわわわ、こんな狭っ苦しい小屋でそんな事になったらもうアレだよ?! 凄いよ!? おっちゃん壊れちゃうっっ!! どどど、童貞だし……っ 女の子の身体でそういう事もした事ないし! いや、それは当たり前かーっ、女の子の身体に乗り移るとか初めてだもんねぇ……あはは、あははははは」
「……あいつ、何言ってるの?」
「さぁ、全然わかんないね!」
パニックを起こしていたおっちゃんだが、不意に冷静になり、なぜか真顔になる。