第68章 【番外編】おっちゃん
先日、末っ子トド松に爆弾を撃ち込まれた六つ子達。
爆弾、それは自分達六つ子が全員ナス子に恋をしている、出来る事ならセッ×スがしたい!と言うものだった。
自覚している者もいれば、これが恋だと気づいていない者もいる。
そんな最中、就寝しようとしていたトド松のスマホにLIMEの音が鳴り、起き上がって口を開く。
「ん? ナス子姉からだ」
その言葉に、虚ろ虚ろと意識を手放そうとしていた兄弟達も目を大きく開きガバリと状態を起こしてトド松のいる位置に集合する。
「ちょっ、近い!! 近いよみんな! 暑っ苦しいんだけどっ!」
興味津々に覗き込まれ、つい今しがたLIMEを見て呟いてしまった事を後悔するトド松。
「なんだってぇ? 俺に会いたいとか言っちゃってる~?」
おそ松が楽しそうにもソワソワと体を揺らしながらトド松に話かける。
「言ってないね。えーっと……明日みんな暇か聞いてるけど」
内容を読み、自分だけに送られてきた訳ではなかったメッセージに落胆し、仕方なく暑苦しいウンコな兄達を見回す。
「トド松、その心底つまらないって顔するのやめてくれる? あ~、明日かぁ、僕は明日はハロワに行って就職先の相談して出来れば面接出来そうな会社を探そうと思ってたんだけど……でもナス子が暇って言うなら相手してやらなくもないよね、仕方ないけどさ」
「チョロ松兄さん、ぼくまだ返信してないし相手して欲しいなんてナス子姉も言ってないけど? それに明日予定があるならチョロ松兄さんは用事があるって伝えておくねっ、仕方なく……じゃ、姉さんも悪いと思うし可哀想でしょ~?」
「え?!」
「フ~ン、ナイスアイデアだなトッティ! チョロ松は明日は来ない、オーケィ?」
まだ暇かと聞かれているだけなのに、勝手に妄想を始める兄弟達を余所にトド松は返事を打つ。
すると、これまた珍しい事にその返事はすぐ返ってくる。
『前に行った動物園なんだけど、入園券ももらったし皆でまた行かない?』
「あぁ、旅行の時に行った動物園に行こうだってさ。 チョロ松兄さんは欠席として他の皆はどうする? なんならぼくがナス子姉と二人で行って来てもいいんだけど~」