第9章 楽しいがいっぱい 十四松side
<side 十四松>
「十四松ー! 来たよー!!」
ボクが朝ごはんを皆で食べていると、外から知ってる女の人の声が聞こえた。
一緒にご飯を食べている皆がポカンとしてボクを見たけど気にしない。
「あ! 来たーっ」
急いで残りのご飯を平らげてご馳走様の挨拶をする。
ボクはまだパジャマだったけど、それも気にしないで玄関を開けて声の主の所に裸足で走って行った。
「ナス子姉、おはようございマッスルマッスル!ハッスルハッスル!!」
朝の挨拶は元気よく!!!!
ナス子姉はまだ眠たそうな顔をしてたけど、ボクは朝でも元気満々!
だって今日は、ナス子姉と一緒に探検ごっこしながら秘密の練習場所に行く日だからね!
「朝からテンション高いねぇ、十四松。ふわぁー」
「十四松だからね!!!」
ボクは姉さんに見せるように元気よくハッスルポーズをとった。
「で、裸足だしパジャマだしまだ行けないよね。早く着替えてきなよ~」
ボクの恰好を見てクスクス笑う姉さんは、ボクんちの前の椅子に座り、待ってるね。と手を振る。
「着替えた!」
「ん・・・・?んん?!はやっこの行の中でどこで着替えた?!まだ一秒も経ってなくね?!」
「あはははは、そんなの簡単簡単♪」
「いやー、これはもう十四松にしか出来ない技だと思うけど・・・」
「いつか姉さんも出来るようになるよ!」
「出来たら楽だし嬉しいけどねっ」
座ってる姉さんにニコニコ言うと、姉さんもニコニコ返す。
ボクらはいつも笑ってる事が多い、スッゲェ楽しい。
「でも十四松、そのつなぎ姿はいいけど赤いコーンは置いて行こうか!」
「えー?!」
ボクのお気に入りの帽子を置いていくように言われるとちょっと寂しいなぁ。
「でも探検ごっこするならそれない方が低い所とかも探せるし、ね!」
あぁ、なるほど。じゃぁ、と言って二階の開いてる窓に向かってコーンを投げた。
「・・・・・相変わらず奇抜な事するねぇ、十四松は」
口を開けて二階を見る姉さん。ボク変な事したかな?