第62章 【一松ルート】デカい猫保護しました
「んー、これって僕が一松に言っちゃうと意味がない気がするんだよねぇ。 アイツはクソ馬鹿でどうしようもないけど、ホントは……。 あ、あとカラ松はただ甘やかしすぎ」
「……あぁ? どういう事なのか全くわかんないんだけど」
「自分で気づかないとならない事もあると思うよ一松、ていうか正直悔しいから教えてやらないのもあるんだけど」
「気持ち正直だな、おい」
スペアキーの事を知らなかった事に悔しさを感じたのかとナス子は無言で思う。
コイツも自分の家を憩いの場にしたかったのかと考えると目から溜息が漏れた。
「まぁ、少しだけだけど助言もしてやったし、母さんも待ってるから帰るよ」
「………ん、なんの事を言ってるかサッパリだけど悪かったね時間割いて」
「別に、兄弟なんだし普通だよ。 じゃ、行くね! ナス子もまた」
「あ、うん! またねっ」
二人してチョロ松の背中を見送ると、一松は無言のまま下を向き言われた言葉を考える。
しかし何を言いたいのかはわからぬまま、ミケ子の待つマンションへと帰って行った。