第1章 トラウマ
「どうぞ。」
早っ!
「熱いから、ちゃんと冷ますんだぞ?」
「分かってるよ……」
ふーふーと息を吹いてから一口飲む。
喉に広がる柔らかな甘み。
自分でも何回か作ってみたけど、こんな風にならなかった。
なんでだろう。これを飲むと、さっきまでのが嘘だったかのように落ち着く……。
ついウトウトしていたらカラ松に抱き抱えられた。
「ちょっ!」
「眠いんだろう?」
ほら、こういうのは分かるんだ。
「なんで分かるの。」
「ンー?なぜなら……オレは一松の兄だからだ!」
チクン。
胸が痛い。
「兄ならば、弟のことを見てるのは当たり前だろう?」
チクン。
まただ。最近、カラ松が兄という単語を言う度に胸が痛む。なんでだろう……。
でも誰かに言ったら病院連れていかれるから言わないけど。
トサッ
布団の上に下ろされ、毛布をかけてくれる。
「おやすみ。マイリル一松。」
「ん。」
暖かな温もりに包まれながらぼくは深い眠りへと落ちていった。
カラ松が何かを呟いていたが、そんなの聞き取れなかった。