第1章 トラウマ
「お前なんかいらないんだよ!」
「お前なんか生きてる意味ねぇよ!」
そう言って上からゴミが降ってくる。
そして男がカッターを取り出した。
それをぼくに向ける。
「やだ……やめてよ……」
「やめて?やめるわけねぇだろ。恨むならお前の兄を恨むんだな。」
ぼくの腕にカッターを振り下ろした。
そこで目が覚めた。
最悪な目覚めだ。心臓がどくどくしてる。
シンと静まり返った部屋では、この音が聞こえてしまう気がして一階へと降りた。
台所の電気をつけ、ホットミルクを作ろうと鍋を探していると声が聞こえた。
「どうしたんだ?一松。」
後ろを振り返るとぼくの二つ上の兄、松野カラ松が立っていた。
「別に。起きちゃったから下来ただけ。」
ぼくはつい、意地を張る。
なのにカラ松はにこりと微笑んで、ぼくを抱きしめる
「無理しなくていいんだぞ。また、見たんだろう?」
「……。」
何でコイツは普段鈍いくせにこういうのは分かるんだよ……。
ムカつく……
「ホットミルク作ってやるよ。一松好きだろ?」
「……好きだけど。」
「よし!」
そう言ってテキパキと作り始めた。
ぼくはコイツの作るホットミルクが大好きだ。
昔からぼくがあの夢を見ると作ってくれた。